水で洗っても縮みませんか?

オゾンウェットシステムでは、水洗機を利用したゆりかご洗いなどと比較してMAが低く、必要最小限にまで小さくしているため、ほとんどフェルト化しません。また、専用洗剤には、染色工場で用いられている防縮剤を高濃度で含有しました。これにより、一般的なウェット洗剤と比べて縮み率は10分の1以下に抑えることができました。ただし、それでもローゲージのニットやカウチンセーターなどは縮む恐れがありますので、洗浄は避けてください。また、事故を予防するために、洗浄前後とも、トップスは裄丈と身幅、ボトムスは縫い割に添って全長を計測しておくことをお薦めしています。

水で洗って色落ちしませんか?

色落ちは化繊に起こることが多く、その原因は染料が水溶性であるためです。当システム専用の洗剤には、染色定着剤として利用されている界面活性剤を含有させましたので、一般的なウェット洗剤と比較しても、色落ちは大幅に抑えています。ですが、中にはどうしても色止めの効かない素材があります。判断が難しい素材(テンセルなど)は、事故を予防するため、当社では1%溶液を利用したパッチテストをお薦めしています。

水で洗って風合いが変わりませんか?

ウェットにおける風合い劣化の原因は、獣毛繊維の場合は油脂の欠落とフィブリルの逆立ち、化学繊維の場合は可塑剤や樹脂加工剤の欠落によって起こることが判明しました。そこで当社では、獣毛繊維に有用な油脂と化学繊維に有用な可塑剤を含有させ、さらに発色性や防汚効果のある樹脂を追加した専用トリートメント剤(リファイン)を開発しました。これにより、万一、風合いが劣化(あるいは変性)を起こした場合でも、薬剤で回復させることができます。ただし、カウチンセーターのようにラノリンが豊富に含まれた素材については、リファイン処理を行う前に、石油系溶剤にラノリンを1%vol.溶かした溶液で油脂を補完することをお薦めしています。

MAを小さくして洗浄力は大丈夫ですか?

汚れには大きく分けて不溶性汚れ・水性汚れ・油性汚れの3種類あります。油性汚れや不溶性汚れは、ドライクリーニングで確実に落としてください。水性汚れは水に浸けるだけでも充分に落とすことができます。なおかつ、当システムではオゾン水を利用しますので、繊維に対する水の浸透性を高め、ドライでは落ちにくいニオイ(特にアンモニアや香水など)はオゾンで消臭しますので、小さいMAでも確実に汚れを除去することができます。ただし、局部的に酷い汚れがある場合は、酵素を含んだ専用の前処理剤(アクアスポット)を利用して、ブラシがけなどを行ってください。