知っておきたいLEDランプの選び方
節電のために照明をLEDに変えるお店や工場が増えてきました。
でも、ひとつ、注意しないといけないことがあります。
それは、演色性。
皆さん、明るさが◯◯ルーメン(lm)だとか、消費電力が◯◯ワット(W)だとかに囚われがちなのですが、クリーニングの現場において、最も重要なのが演色性だといっても過言ではありません。
演色性って何?
という方にわかりやすくいうと、照明に付いている色のことです。
蛍光灯でもLEDでも、黄色っぽかったり、白っぽかったり(時には青っぽかったり)することってありますよね?
例えば、レストランなどでは、やや黄色いライトが好まれます。
これは、食べ物が美味しく見えるからです。
同じように、クリーニングの現場で最適のランプがあります。
それは、より自然光に近い発色であること。
例えば、蛍光灯であれば、最も太陽光に近いのは5000K(昼白色)あたりと言われています。
そして、一般的な蛍光灯の演色性(演色評価数)は、およそRa=80〜90の間(高いほど優れている)と言われています。
ところが、LEDランプはさまざまです。
皆さんが低消費電力(W)、高ルーメン(lm)のものを買い求めるあまり、演色性よりも明るさが優先されてしまっている場合が多くあります。
なぜなら、青いライトのほうが明るく見える(テスト上、ルーメン値が高めに出る)からなんです。
美術館であれば、Ra=90以上のものが必要ですが、一般的なクリーニング店では、蛍光灯と同レベルであれば充分でしょう。
ですが、海外製(特に韓国製)のLEDランプは、Raが低いものが多いようです。
実際に、テストしたところ、こんな結果になりました。
テスト方法
下の写真のような、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれ100%(濃い色)と10%(薄い色)の演色テスト用紙を作り、色の出方を比較。
蛍光灯(新品)
濃い色
写真はやや暗く写ってしまいましたが、実際には色味の変化はあまり見られません。
薄い色
一番消えやすい黄色も、消えずに見えています。
韓国製LED
濃い色
光が青みを帯びているので、イエローがやや緑っぽく、マゼンタがやや紫っぽく見えます。
薄い色
ややイエローが見えにくい(紙と同化している)ように見えます。
当社製国産LED
濃い色
色味の変化は見られません。蛍光灯より自然に見えます。
薄い色
見えにくいイエローも見えます。個人的には、蛍光灯と同等に感じました。
当社製国産LEDは、JIS規格による測定方法でRa=83〜85となるよう、調整しています。なので、新品の蛍光灯とほぼ同じように見えます。
もちろん、自然光(Ra=100)には敵いませんが、かなり自然に見えるランプになっています。
以前、5000Kの蛍光灯を使っていたお客様から買い替えていただいたことがありますが、色が見やすくなった!と喜びの声をいただいております。
ちょうど、初夏の天気の良い日の光に近いので、LEDの特有の青みのある光で疲れを感じる、なんてことはありません。
低消費電力、高ルーメンであっても、演色性が悪くて思わぬシミを見逃した!なんてことがないように、良いランプを選んでくださいね。